前回は23段コーリニアアンテナの制作とその効果を報告しましたが、
今回は簡易アンテナ(スリーブアンテナ)について報告します。
アンテナ for PHS/WILLCOMのパフォーマンスを極限まで引き出すツール/WILLCOM用外部アンテナの製作
のページの右端にノースリーブアンテナの制作リンクがあったので覗いてみると、
非常に簡単な方法でWILLCOM用の外部アンテナを作ることができるとわかり、今回のチャレンジとなりました。
■材料と工具
・材料
1. 75Ω同軸ケーブル 数m (S-4C-FB)
2. Φ0.8程度の銅線 13cm (S-4C-FBから切り出し)
3. ハンダ
4. 塩ビパイプ Φ20 30〜50cm レドームとして使用
5. レドームの上下栓 2コ
6. つり下げ用のワイヤー 1本
7. つり下げ用フック 1コ
8. ビニールテープ 少々
9. 誘電体 プチプチシート 少々
1および3、4については、ホームセンターで購入しました。
同軸ケーブルについては10(m)で¥1,080でした。
塩ビパイプは前回の23段コーリニアアンテナで余ったものを利用しています。
5〜7は100円ショップ(ダイソー)で購入しました。
パイプ用の滑り止めですね。
サイズはΦ24ですがΦ20の塩ビパイプにぴったり合いました。
しかも4コ入りなんです。
基本的に室内用のアンテナなので、防水対策はしません。
よって、ゴム用のボンド等は必要なしです。
ネジ式ワイヤー。これは1本入りです。
吸盤フック2コ入りです。
今回はダイソー様様です。原材料費が安くすみました。
・工具
1. ノギス(最小読取値:0.05mm)
2. ケーブルカッター
3, カッターナイフ(大型のもの)
4, ハンドドリル(つり下げワイヤーの穴用)
5. ハンダごて(出力:100W程度)
6. 巻尺
4のハンドドリルですが、これもダイソーで購入しました。
これはあたり商品です。100円ですが、
塩ビパイプにも簡単に穴をあけることができます。
材料と工具が揃ったので早速制作します。
約40分程度で作ることができます。
■アンテナのパーツ
エレメントと引き込みケーブルは一体ですので、
ラジアル 1コ
インターフェースコイル 1コ
となります。
■パーツのサイズ計算とアンテナの制作
ノースリーブアンテナの制作のデータページから、最も有効なエレメント長を10(cm)とします。
10(cm)を1λ’と仮定してS-4C-FBの短縮率を計算します。
・波長
1λ=300/1900(MHz)=0.1579(m)
・短縮率
1λ’/1λ=0.0100(m)/0.1579(m)=0.63=63(%)
妥当な数値なのでこれをS-4C-FBの短縮率とします。
k1=0.63 (S-4C-FB)
k2=0.97 (銅線)
[エレメント]
外部被覆を10(cm)切り取ります。
網線にハンダ代5(mm)を残してその他の網線を切り取ります。
エレメント部はこれで終わりです。
[ラジアル]
ケーブル反対側から約13(cm)切り出し、網線のみを取りだします。
取りだした網線をエレメントに差し込み、ハンダ代にはんだを流し込みます。
ラジアルが10(cm)になるようにビニールテープで固定します。
また、余った芯線(銅線)はインタフェースコイル用に使用します。
これでアンテナ部が完成しました。簡単でしょ?
[レドーム]
余った塩ビパイプを切り出します。今回は58(cm)にしました。
[つり下げ用ワイヤー取り付け]
アンテナ上部にゴム栓を取り付けます。
そして、ゴム栓の少し下にハンドドリルで穴を開けます。
つり下げ用ワイヤーを取り付けた様子。なかなかイイ感じでしょ?
[アンテナの格納]
アンテナ部をレドームに格納します。
その前に、アンテナ部にゴム栓を通しておきます。
アンテナ部を包み込みできるようにプチプチシートをカットします。
プチプチシートでアンテナ部を包み込むように巻いていきます。
レドームに格納します。
ゴム栓をきっちり取り付ければアンテナ部の完成です。
[インタフェースコイル]
アンテナ for PHS/WILLCOMのパフォーマンスを極限まで引き出すツール/WILLCOM用外部アンテナの製作
さんのページから、ケーブル制作を参考にします。
同軸部分の長さ(A)を25(mm)として計算します。
A/k1+B/k2=1λ
なので、
0.025/0.63+B/0.97=0.1579
B/0.97=0.1579−0.0397=0.1182
従って、
B=0.1182×0.97=0.1147(m)=114.7(mm)
となります。
網線ハンダ代・・5(mm)
芯線ハンダ代・・2(mm)
ここで引き込み線の長さを決定してケーブルを切断しますが、
今回は3(m)としました。
ケーブル先端は、ハンダ代(5mm)を加えた長さで外部被覆を取り除きます。
ラジアル用として切り落とした同軸ケーブルから芯線のみを取りだします。
インタフェースコイルの銅線はハンダ代を加えた長さで切断します。
コイル状にしてハンダ付けします。
これでWILLCOM用の簡易外部アンテナ(スリーブアンテナ)が完成しました。
非常に簡単に制作することができました。
電波測定するために、自宅の東側出窓の天上に吸盤フックを取り付け、
簡易アンテナをつり下げてみました。
フックはなんでもいいのですが、出張等で役に立つと思いこの吸盤フックにしました。
窓にも取付可能ですし。。。
■アンテナ台の制作
今回も測定し易いようにアンテナ台を制作しました。
またまた廃品利用です。メディア10枚用のスピンドルケースを改造しました。
滑り止めとしてビニールテープを数枚重ねて張り合わせてあります。
WILLCOM 03で測定の様子。バッテリーは標準バッテリーを搭載しています。
ちなみに、大容量バッテリー対応のアンテナ台も作りました。
3m版 WILLCOM用 簡易外部アンテナ(スリーブアンテナ)の全景です。
6m版 WILLCOM用 簡易外部アンテナ(スリーブアンテナ)の全景です。
結局、余った材料で、2本の簡易アンテナができてしまいました。
次回は、さまざまな条件で測定した結果を踏まえて、
これまで制作した全てのアンテナを評価します。
ではでは。。。